線と束

短歌

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セブンスは所詮感傷の材料

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美談は悪と教わった

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人間が美しかった頃はまだ

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美しさ苦さタブレット割って飲み下す

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液晶が降ってる ここじゃなく彼岸で

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踊れるか?踊れなければ脚を折れ

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この窓の世界じゃなさを一頻り

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戦意などどこにもなくてかわいてる

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今夜ごと準拠する 俺たちのリバーブ

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法則としてのあなたよ私を運動して

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未だ見えぬ未だ見えぬセクスピア

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言葉は酸性、なくなるってそういうこと

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消え違う光速性許さないで

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あの首のどこかにあるはず魔法の出る場所

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秘密なら尽きたかも、でも今夜から

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甘える指いつも立派に嘘っぽい

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Mutable, and still invisible single source of truth

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毒をもつ事実はだいたい星より速い

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絶対に教えない 人工の夏

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防水になりたい 屈折をさせたい

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僕たちはわかりやすくなくちゃいけない

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この春は練習なんかではなくて

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そんな楽に、お前よ、間違ってなるものか

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両耳に百倍速の鎖樋

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アルミを噛む悪い夢みたいな音がする