線と束

短歌

短歌

面影にノスタルジヤを迷い、迷い飽くことはなく見やる、見やる

僕の視界にあなたの背負う 余白 は世界を含む透明な豊穣

開けておくファインダー 寂しがる顔してどこか秋を呼んでる

液晶のおかげで闇を摘むことが出来ない これは、ストーリーですか?

夏はまだ一筋であって今でもすぐにでも取り出せる全天の思い出でありたい

夕静は続かないのに (消える螺旋) まだ (切る空閨) 帰れないんだ

後手に捨てるシンハー この消息は相対線にしずむ落書き

いつか昼する風景は白くて重くて証明しなくなっていくようだ

呆けているあなたの役場誰よりひしゃげた正慎に星辰に

伝わらないからもう一度伝わらないからもう一度を毎日だってして

昇華すら残らぬような放課後だった でも夜は電気電気の烏色

生憎だが別のやりかたで広がる世界だがいっしょに揺れるのもいいものでしょう

解凍される夜窓開けて一億の簡単な日をその口に入れる

50時に猫の風まだ夜のままかき消す人の生き声はせず

間違うには充分なほど神聖な昔の真夏の子豚の苦味

決定を振る舞うあなたは太陽と同じ種類の再現者

月台の列車に映す風景の静かさに射す昼が飛んでる

信じれるまで何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度でも

その声が視界にめぐる血液の鉄の熱さの第一の理由

きらやかな花で尽くして、でも消した事の痛みは消してないから

水のあと交差で触れて奪いとる君が魔法を上手くやる骨

僕が読めばあいつが鍵を、僕が鍵を打てばあいつの鍵を打つ夜

横たわるその口元に祝祭と約束をひとつ置き去りにして

部分空に傾く地域のセンサード 語ることとは失うことで

水夜に三度目覚めて三度見る ***と次の夢を見る夢

天気とは水や光でなく明日を消去法する予兆のことだ

おやすみも会話も影も足りなくて名前だけしか抱けないでいる

ページ記憶が調子よく盲いてく 感傷についてのページネーション

網があるって瞬間に経済する事はやめて、毎日水をあげよう

どの北を向けど条々 遊べない土曜の雛が待ち構えてる