線と束

短歌

2016-06-18から1日間の記事一覧

触れない焦点と、水色のフラー 澄んだ煙を吐き出している

泣くよりはたった一度光として揮発をしたい、残り香になって

200時間 明日の朝がくるまでに抱かれるべき沈黙の数

二年間黙り続けた君のいた席はとりわけよく軋むから

あるいは俺自身が呪いなのだとしたら早くその燃える矢で撃ってくれ

せめて切り裂いて、最後まで優美さで、憧れたまま潰えるために

決定的な貫通をしてくれ、あとで誰より語れるような

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両耳に百倍速の鎖樋

影が長すぎてあんまり熱くって、消える方法がない