線と束

短歌

2016-06-06から1日間の記事一覧

咬み傷を忘れらんない いつまでも全快しない昏い眩暈、みたい

僕ら皆ネットの上に立っている、君には舞台で僕には土だ

笑顔だと見えないのかも知れないが夜には夜の難しさがある

趣味なんです、枕を打つのは。だから優しい慰めをかけてくれないで

夢応にて声を震わす子供の霊 朝の果てにも等しく届く

敵意の目は寒くて爽やか 吐く霧花、煙に巻かれて失明して暮れる

他人の骨に興味はないですから 閾に満たせる咲き方を知れ

甘いのはもう良いです赤いのは切ないですとわがままばかり

見送った後、真更な床に立って裸足を濡らす 無音と共に

体重も体脂肪率も減らぬまま体年齢ばかり下がり続ける

流行で安い縞の服を着る なぜなら僕は囚人で、あなたもでしょう