線と束

短歌

2016-06-08から1日間の記事一覧

友人らの恋をファボるのに失敗する 僕は電波が悪すぎるから

影のない僕は歌しか歌えない 語る物理も 響く歴史も

新月のかたちに罪があるならば未熟なままで育った罪だ

夢魔はまた居留守を返しやがる 僕は誰より遠く喋ってるのに

スピードが通り過ぎてく僕達は無限に広い線となりつつ

来夜には霧となり奴を転移していまだ健やかに笑ってみせよう

望まない花に吹雪かれて水平に落ちていくよう 終われる気がしないよ

触れられなさの一つ一つが蓄積して会話のモンタージュ白くなってく

並行に揺れながら少しズレながら散らばっていく ここは寒くて疎らな空